散文ブログ『ちりぶみ』
数名による持ち回り創作ブログ。4のつく日(4・14・24)更新。
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エッセイ ・ 赤い梅漬け   (2007/04/24)
 我が家の食卓に赤い梅漬けが並ぶと、必ず思い出す人がいる。
 一昨年他界した伯母である。短い期間だったが共に暮らし、語らい、笑い、そして旅立った伯母は、昭和ひとケタ生まれの強く優しい女性だった。その伯母が漬けた梅漬けがまだ残っていて、時折食卓に並ぶのである。月命日にふと思い出したり、居間に飾られた写真を見ては思い出したりする。そして梅漬けを食べながら思い出させてくれるとは、いかにも伯母らしい遺し物だと微笑ましく思うのである。
 伯母の逝った日はまさに年の瀬、大晦日だった。伯母は、私たち家族の「何も心配ないからね」という言葉に微かに頷きながら旅立った。生前、何かと心配事が絶えなかった伯母の眠る顔はとても穏やかで、私たち家族は胸をなで下ろしたものだった。

 伯母は小さな小料理屋を営みながら、ひとり慎ましく生きてきた女性である。大学の近くの店だったこともあり、六十年代、七十年代は学生の常連客が多かったとよく聞いた。きっと多くの客を迎え、そして多くの客を見送ったのだろうと思う。赤い梅漬けを味わいながら、伯母も人知れず寂しく見送った別れも多かったろうと、邪推する私である。

 別れの種類は違うが、この春、私にも大きな別れがあった。いつの間にか長い付き合いになっていた友人が、大学を卒業してこの地を離れたのだ。彼にとっては大きな旅立ちであり、そして周りの友人にとっても大きな転機であったように思う。
 人生にはいろいろな別れがあるのだなあ、と今さらながらに実感したのだが、彼との別れは、淋しいとか哀しいという言葉では言い尽くせない、今までに経験したことの無いものだった。
 インターネット上のコミュニケーション全盛時代である。遠く離れていてもバーチャルな世界では常に繋がっている。
 けれど結局人間というのは生身の付き合いでしか、本当の意味で繋がれない性なのだ。そして生身の言葉でしか本当の想いは伝えられない。と同時に「言葉」だけでは伝えきれないというジレンマも私たちは抱えている。そしてそのジレンマを抱える関係こそ、私は貴重な財産だと思う。ネット上に飛び交うお手軽な言葉ではなく、伝えたいけれど伝えきれない迸る想いが、そこには在るのだから。
 彼が最後に私たちに託してくれたものは、最近めっきりもらう機会が減った、一通の手書きの手紙だった。お世辞にも達筆とは言えないその手紙には、彼の真っ直ぐな言葉が綴られていた。

 伯母を亡くした時、こんなにも辛い別れがあるのかと、やりきれない想いが私を覆った。けれど今、酸っぱい梅漬けの味と共に、その哀しさは暖かい思い出として移り変わったように、彼との別れも、この先のお互いの幸せと、変わらない友情へと移ろうのだと確信している。環境も立場も違う私たちを、いついかなる時も、ひとつに繋いでくれるのは、私たちの心に残る、あの時のあの歌なのだと、私は思う。




『 ロング & ワインディング ロード 』

その道は、長く険しい道。
それは決して無くならない、私の道。
この道に立つ私を、どうか見守っていてください。

雨が降りしきり、風吹く夜もあった。
涙がとまらない、どうしようもない夜もあった。
なぜ私はここにいるのだろう、と問い
なぜ私は独りぼっちなのだろう、と問う。
誰か、教えてほしいと、祈りながら涙がとまらなかった。

幾度も取り残され、幾度も泣いた。
幾度も遠回りをし、幾度もこの道を捨てようと思った。

けれど私は再びここに戻ってきた。
ひとりきりでも、この道を歩いていくと心に決めた。
私はこの道を、歩かなければならない。
この道に立つ私を、どうか見守っていてください。


                 (BY ビートルズ)
                  (訳・イノタク・イシカワマキ)
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