散文ブログ『ちりぶみ』
数名による持ち回り創作ブログ。4のつく日(4・14・24)更新。
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    長野市在住。



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舞台『ウイルスさんと粘膜さん』   (2006/02/04)
設定・人の体内。体内に侵入しようとするウイルスと、それをあくまで「職務」として防ぐ免疫力の話。

 舞台中央に机と椅子。そこに守衛(粘膜・以下「シ」)が気怠そうに座っている。時折あくびを噛み殺したり、自分の肩を叩いたりしている。
 とそこへ、周りをキョロキョロしながらウイルス28号(以下「ウ」)が入ってくる。守衛、ウイルス28号には気づかないが、28号は守衛に気づき、少しぎょっとする。そして守衛から隠れるようにして携帯電話を取り出し、誰かと話し始める。

ウ 「もしもしぃ、あっお疲れ様です28号ですぅ。すいません、ボスいらっしゃいます? はい、お願いします」
(暫しの間)
ウ 「あ、ウイルス28号ですけど。お疲れ様です。今ですね、くしゃみに乗って鼻の穴から体内に侵入するところなんですけど。はい、そうです、人間の。それでですね、これから侵入してさっさと体に菌を感染させたいところなんですがねぇ、ちょっと厄介で。えぇ、そうなんですよ、例の予防対策でしたっけ? 入り口に守衛が居て中に入れないんです。え? ちょっとお待ち下さい」

 28号、守衛の様子を覗き見る。守衛、まだ気づかず一人暇つぶしをしている。

ウ 「あ~、守衛はやる気ないんでセキュリティはかなり甘いんですがね、とはいえまだ僕この仕事始めたばかりで自信ないんですよ…。え? はい、わかりました、ちょっとやってみます。ではまた後で連絡するんで」

 28号、携帯を切り一つ深呼吸。少し思案し、意を決して守衛の方へと向かう。

ウ 「あぁ、どうもどうも。いつもご苦労様です…」
シ 「あ、これはこれは。どうぞどうぞ」

 守衛、全く気にせず28号を通す。28号、内心嬉しがりながら守衛の前を通り抜け、急ぎ立ち去ろうとするも、途中で見えない壁にぶつかり派手に転ぶ。(SE・ぶつかる音)

ウ 「いてっ!」
シ 「はて、どうかされました? おやまあセキュリティドアに引っかかったんですな」
ウ 「(身体をさすりながら)いてて…。なんだ、どうなってるんだ?」
シ 「おや、まだご存じなかったですか? 実はつい先日なんですがね、こちらの体は予防接種を受けてセキュリティを強化したんですよ。なので入り口で認証をしないと入れないんです。あれ、ご連絡無かったですか?」
ウ 「えっ…。え、ええ、まあ。実は私、久々にこちらに来るもんで。連絡来てないんですよ…」
シ 「あら、そうなんですかぁ。あ、もしかしてあれですか? 新陳代謝で間違って体内に出ちゃったとか!」
ウ 「えぇ、まあそんなとこです」
シ 「あはは、あれって大変らしいですねぇ。汗と一緒なら全身が塩っぽくなるだけで済むそうですが、お尻からになっちゃうとねぇ。もう臭いがきつくて。それにミの方になっちゃうと全身にそれが付着してそりゃあもう…」
ウ 「き、汚いなぁ。その話はいいんですけどね、こちらのセキュリティの解除方法を教えてくれませんかね? そうしないと僕入れないんで」
シ 「解除の仕方ですか? それはパスワードかもしくは…(親指を突き出して)これをピッと認証するんですけど。このご様子だとどちらも登録されてませんよねぇ?」
ウ 「え? ええ、まあ。困ったなぁ。何とか入れてもらうこと出来ませんかね?」
シ 「いやぁ、私にゃそんな権限ないんでね、それはできないんですよ」
ウ 「そこを何とかお願いしますよ! 中に入らないと僕仕事が出来ないんですよ!」
シ 「そりゃあわかりますが、どうにもねぇ。弱りましたねぇ」

 守衛と28号が絡んでいるところへ、「白血球」というプラカードを首からぶら下げた白血球(以下「ハ」)が陽気に歌を歌いながらやってくる。そして守衛へ挨拶。

ハ 「おや、今日もご苦労様」
シ 「あぁ、これはどうも。どうぞどうぞ」

 白血球、ノーチェックで守衛と28号の前を悠々と通り過ぎ、セキュリティドアの前へ。とそこへ、携帯電話に着信があり、しょうがなくその電話に出る白血球。

ウ 「い、今の誰?」
シ 「おや、ご存じないですか? 白血球さんですよ。リンパ腺所属のエリートさんですよ?」
ウ 「あいつが敵かぁ…。あ、いやいや。そうそう、白血球さんですよね、思い出しましたよ。ちょっと頼んでみようかな。すいませ~ん、白血球さん!」
ハ 「ん? 何か用かね? というか君は誰だね?」
ウ 「ぼ、僕ですか? やだなぁ忘れないで下さいよ、えぇと、僕は…そう、横隔膜所属のヘモグロビンです!」
ハ 「横隔膜? あの部署はシャックリにしか役立たないお荷物部署じゃないか。体内の最前線で守っている私からすれば、まぁ君のことを知らなくても当然かな」
ウ 「そ、そうですよね、僕の部署はしょせんマイナーですから。まぁそれはおいといて、僕のことをお忘れかもしれませんけど、実は今セキュリティドアを抜けられなくて困ってるんですよ。同じ体内のよしみってことで、今回だけ一緒に入れてもらえ
ませんかね?」
ハ 「それはできないなぁ。何せ私は体内の健康を守る身だからね。君がいくらうちの所属だからって、それを証明するものが無いことには入れられないに決まっているじゃないか。セキュリティだよセキュリティ! 今じゃ常識じゃないかね? というか君、所属証も持っていないじゃないか。(観客の方を指指しながら)見てみろ、君以外全員ちゃんと首からさげてるじゃないか! 君だけだよ、してないのは。こんなんじゃまず無理だね!」

 28号、首から何もかけてないことを気まずそうにしている。守衛、白血球の言い分をうなずきながら聞いている。

ハ 「というわけで、私は忙しいのでもう行くよ。ま、君もせいぜい体内に入れるように
   頑張ってくれたまえ。ではまた」

SE・ピッ&セキュリティドア開閉音
 白血球、親指でピッとしてドアを突破し笑いながら奥へはける。それを見届け悔しそうにしている28号に守衛が話しかける。

シ 「残念でしたねぇ」
ウ 「ちっ、あのエリート野郎。中に入ったら真っ先に殺ってやる…」
シ 「え?」
ウ 「え、いやいや、こっちの話ですよ。でもエリートだからってあんな言い方無いと思いません? ひどいよなぁ」
シ 「まぁ白血球さんの言い方もきつかったとは思いますけどねぇ。でもこのご時世、しょうがないと思いますよ。今やどこもかしこもセキュリティセキュリティって、騒いでるじゃないですか。やれここが危ないとか、やれこうすると予防効果があるだとか、もう色々言われて、何を信じていいんだか、何をやればいいんだか…。正直、嫌になってきちゃいますよ」
ウ 「ほんとそうですよ。こっちも仕事がやりにくいったらありゃしない…。あ、いやね、ちょっとの間外に出てただけで、体内には戻れないんですから」
シ 「すいませんね、まぁそういうことなんで、やはり私にゃ中に入れられないんです」
ウ 「どうしても…ダメですか?」
シ 「えぇ、ほんとすみませんねぇ」
ウ 「はい、わかりました! では僕出直して来ますよ。ちゃんとセキュリティロックを解除出来るように、中の人に連絡なり取ってみますんで。お手数お掛けしました」
シ 「そうですか。では私はこちらにいつも居りますので、中に入れるようになったらその時はまたこちらに来て下さいね。はい、これ。守衛室の連絡先です。お待ちしてますので…」
ウ 「ありがとうございます。それでは、僕はこれで」

 28号、守衛に挨拶し、はける。守衛、椅子に座り直しまた暇つぶしを始める。28号、急ぎまた携帯を取り出し電話。

ウ 「あぁ、ボスですか。28号です。あの~、実はですね、先ほどの件なんですけど…やっぱ僕には無理だったんじゃないかと。え? いや、守衛はいいんですが、何せセキュリティロックがかかっていてドアを突破出来ないんですよ。はい、例の予防接種ですよ。色々手は尽くしたんですがねぇ、ちょっと…。いや、別に僕ぁさぼってるわけじゃないですって。ちゃんとやってますよ。いや、ですから…。えっ? そんな! 中に入れなかったら首だなんて、ちょっと、無理ですって。ボス! ボス…! って、切っちゃった。どうしよう…? どうにか中に入らないと、首になっちゃうよ。あぁ、やだなぁ。でもどうにかしないとしょうがないしなぁ…」

 28号、守衛をもう一度覗き見る。守衛、まだ暇つぶし中。

ウ 「しょうがない、僕には後がないんだ、どんな手を使っても中に入らないと…。よ~し!」

 28号、何かを決意し、一旦はける。暫くした後、野球帽をかぶってやってくる。

ウ 「オーライ、オーライ、オー… あっ! 風に乗って打球が伸びるぞ~ あぶなー
   い!」

SE・ガラスの割れる音

シ 「ば、ばっかもーん! 誰じゃ!」
ウ 「す、すいません! 向こうで野球をやっていて、それで…。あの、ボールを取りたいんですけど、中に…入れてもらえませんか?」
シ 「ダメじゃダメじゃ! 中に入りたいんなら、ガラスを弁償してもらってからじゃ!」
ウ 「ちぇっ!」

 28号、残念そうにはける。次に、舞台袖から携帯電話を取り出し、掛ける。すると守衛室の電話が鳴る。

SE・電話のベル

シ 「はい、もしもし…」
ウ 「あ、じいちゃん? オレだよオレ!」
シ 「オレって言われても…。あ、もしかしてリョウかい?」
ウ 「そう、リョウだよオレ! じいちゃん、大変なんだよ!」
シ 「どうしたんだい? 何か困ったことでもあったのかい?」
ウ 「実はオレ、車で人をはねちゃって、今すぐに慰謝料を払わなきゃいけないんだよ!そうしないとオレ、警察に訴えられちゃうよ! 助けて、じいちゃん!」
ウ 「そ、それは大変じゃないか! で、ワシは何をすればいいんだい?」
ウ 「うん、じゃあね、入り口のセキュリティドアを解除すればいいから!」
シ 「え、それでいいのかい? それで助かるんだね?」
ウ 「うん、それで大丈夫、じいちゃんほんとありがとう! それじゃあね」

 28号、電話を切り、小さくガッツポーズ。早速ドアの前へ向かおうとしたところで、守衛の孫(リョウ。以下「リ」)台本を持ったままぼんやりと歩いてくる。

シ 「あっ、リョウじゃないかい!」
リ 「あれ、じいちゃん」
シ 「ドア、解除しといたよ。大丈夫なのかい?」
リ 「えっ、何が? 何かあったの?」
シ 「何かって…人をはねたんだろ? 警察とか大丈夫なのかい?」
リ 「何の話してるのさ? あのね、僕は今、初の舞台で緊張して、台詞を忘れちゃわないように懸命に覚えてるの。だから邪魔しないでよ。もう行くからね!」
シ 「って、リョウ、待ちなさいって。怪我をした人様はどうなったんだい?」
リ 「(ぶつぶつ言いながら)親父と息子、向き合って掛け声。タッパーズの去私眈々! あ、そうかこういうことか! 去私眈々! ぶつぶつ…」
シ 「ちょ、ちょっと!」

 リョウ、ぶつぶついいながら退場。守衛、それを訳も分からず見送る。そしてその様子を気まずそうに眺める28号。

ウ 「あ、あの…。今のがリョウさん?」
シ 「えぇ、そうですが、アナタ誰?」
ウ 「し、失礼しました…」

 28号、客席の客より所属証を借り、首からかける。そして眼鏡を掛けて守衛の元へ。

ウ 「あぁ、どうもどうも」
シ 「はて、どちら様でしたかな?」
ウ 「私、こういうものです」(首のカードを見せる)
シ 「ん? タッパーズの去私眈々…新宿ゴールデン街劇場? なんですこれ?」
ウ 「いや、ここですよ! ほら、GUEST!」
シ 「あ、ほんとですねぇ。で、どうされました?」
ウ 「はい、私別の体から来たものなんですが、こちらの体に呼ばれまして…」
シ 「あぁ、ご面会の方ですか?」
ウ 「そうですそうです。なのでちょっと中に入れてくれませんかね?」
シ 「そうしますと、一度取り次がないといけないので…」
ウ 「え、そうなんですか? 面倒だなぁ…」
シ 「ちなみに誰にご面会で?」
ウ 「え、え~と…。では白血球さん、で」
シ 「少々お待ち下さい…。(受話器を取り話す)あ、もしもし。こちら守衛室ですが。あ、どうも。実は今、白血球さんにご面会の方が来てるんですが。えぇ。 あの、お
   名前は?」
ウ 「はい? 名前ですか? え~と…。長州小力です。『いや切れてないっすよ』」
シ 「そんな小デブは知らん、と仰ってますが…」
ウ 「小デブって…。知ってるじゃないか!」
シ 「知らんものは知らん、人違いだと仰ってますが…」
ウ 「じゃああれですあれ。私の名前は藤井隆です。『体の一部がホットホット!』」
シ 「そんな乙葉の旦那は知らん、と仰ってますが…」
ウ 「だから知ってるじゃないか! 通してくれよ!」
シ 「オレの青春、乙葉を返せ、と仰ってますが…」
ウ 「なんだよ~、乙葉ファンかよ! じゃああれですあれ、私の名前はレイザー
   ラモンです。フォー!(&腰振り)」
シ 「そんなハードゲイ、略してハゲなんて知らん、と仰ってますが…」
ウ 「いやだから知ってるでしょ! それにハードゲイの略はハゲじゃないし!」
シ 「あいつ絶対将来はげる、(長井秀和風に)間違いない、と仰ってますが…」
ウ 「いや長井秀和はいいから、通してくださいよ!」
シ 「うるさい、もう切るぞ、と仰ってますが…」
ウ 「あ~、うそですうそです。そうだ! 私の名前は…」
シ 「あぁっ、切れた」
ウ 「…『いや切れてないっすよ』」
シ 「えっ? 切れましたよ?」
ウ 「……。くっそ~…」

 28号、頭を抱えながら舞台袖へ退散。

ウ 「あ~、こんなんじゃいつまで経っても中に入れない! こうなったらもう無理矢理にでも入るしかないんだ! くそ~!」

 28号、結局最後にサングラスをかけ、強盗スタイルで突撃。

ウ 「おい、痛い目に遭いたくなかったらセキュリティロックを解除しろ!」
シ 「はっ、はい?」
ウ 「痛い目に遭いたくなかったらセキュリティロックを解除しろ!」
シ 「何ですかあなたは?」
ウ 「見て分かるだろ、強盗だよ。セキュリティロックを解除しろって言ってるんだ!」
シ 「いやですよ、乱暴は…」
ウ 「じゃあさっさとそこを開けるんだ!」
シ 「そうは言われてもですね…」
ウ 「さぁ、早く!」
シ 「や、やめて下さいよぉ、ちょ、ちょっと!」

 28号、守衛に掴みかかる。守衛、必死に抵抗。暫くもみ合った後、はずみで28号のサングラスが外れ、正体がばれる。

ウ 「あっ…」
シ 「あなたは…さっきの…」

 28号と守衛、無言で見つめ合う。暫くした後、28号、目線と共に肩を落とし、諦めて帰りかける。

シ 「待ってください…」
ウ 「!」
シ 「待って下さいヘモグロビンさん…。いや、ウイルスさん」
ウ 「えっ…! 何故僕がウイルスだって…?」
シ 「それくらい私でも気づきますよ。あなたがウイルスだったってことくらい、一番始めに来たときから気づいてましたよ。今時、横隔膜所属であんなに仕事に真剣に取り組んでいる細胞なんて、ありませんからね。おそらくウイルスなんだろうなってわかっていました…。そんなに入りたいんだったら、さぁどうぞお入り下さい」
ウ 「で、でも…。いいんですか?」
シ 「私ぁねぇ、別に好きでこんな仕事をやってるわけじゃないんです。他にめぼしい仕事が無いんでしょうがなくやってるんですよ。それに…いくら私が真剣に職務に励んだって、いくら私が懸命に体の健康を守ろうとしたって、結局は体の主の心がけ一つで全くの無駄になるんです。私は以前の職場で、それを嫌と言うほど思い知らされましたよ…」
ウ 「何か病気でも、されたんですか…?」
シ 「えぇ、淋病でした…。いくら私が鼻の中で懸命に頑張っていたって、体の主が何も考えずに不純異性行為を繰り返せば、性病の一つや二つ、感染しますよ…。その時私は思ったんです。この仕事は真剣にやっても報われる仕事じゃないんだな、と。それからですよ、私が仕事に対してやりがいを無くし、ただただ楽をして仕事をこなすようになったのは…」
ウ 「そうだったんですか…。だからあんなにやる気がなかったように見えたんですね」
シ 「えぇ、そうですよ。もし予防接種なんてやっていなかったら、あなたも軽々と侵入できたでしょうに、色々大変でしたねぇ。そもそも、こんなセキュリティ対策に一体どんな意味があるのでしょう。先ほどもあなたに愚痴ってしまいましたが、世の中セキュリティセキュリティって馬鹿の一つ覚えみたいに…。本当に大切なのは、本当に効果のあるセキュリティなのは、もっと根本的なことなんですよ。規則正しく生活して、昔ながらの食生活で、日々健康を心がけて生きていく…。そう、全ては心がけ次第なんですよ。この体の主も、残念ながらその心がけが足りなかった…。だからあなたがここにやって来たんです」
ウ 「確かに…。僕がこの体に乗り込んできたのも、そもそもはこの体の主が寝るのをそっちのけでゲームセンターで今時ダンスダンスレボリューションをプレイして、汗だくになりながら『サタデーナイトフィーバー』状態でノリノリだったからです…。もしもこの体の主がゲームセンターで汗だくになったまま、寒い夜道を歩いて帰らなかったなら、僕はこの体に来ることはなかった…。心がけが足りなかった、そういうことですね」
シ 「そうですよ、だから私はあなたをこの先に通しても、何も罪悪感を感じないんです。そう、結局はこの体も、前の体と同じだったってことですから。さぁ、どうぞお通り下さい…」
ウ 「ありがとうございます…。このご恩、忘れません。では」

 28号、守衛に礼をした後、セキュリティロックを解除してもらい中へ。(SE・開閉音)そして舞台からはける。

SE・サイレン音
(以下、録音)

「くせ者じゃ~出会え出会え~!」
ハ 「む、何やつ? お、おぬしは!」
ウ 「さっきはよくも馬鹿にしてくれたな。これでもくらえ!」
ハ 「おぬし、謀ったな! く、一生の不覚なり…無念…」
ウ 「白血球、討ち取ったり~!」
「もう壊滅じゃ、城に火を放て! むざむざくせ者を逃がしてはならん!」
火の燃える音とサイレンが大きくなり、フェードアウト


 28号、ぼろぼろになりながら出てきて守衛の前へ。

シ 「終わったんですね…」
ウ 「えぇ、おかげさまで。ここはもう持ちません。あなたも早く逃げた方が良いですよ。ここはもうすぐ灼熱のように熱くなる…そうなると手遅れだ」
シ 「そうですか…。どうやらあなたは恐ろしいウイルスだったようですね」
ウ 「えぇ。黙っていてすいません」
シ 「いや、いいんですよ。私は気にしていませんから。次の働き場所を探すだけですか
   らね…」
ウ 「そうですか」
シ 「また次へ、行かれるんですか?」
ウ 「えぇ、そろそろ迎えが来るんで…。どうも、ありがとうございました」
シ 「またどこかで会えるといいですね。その時は…易々とは通しませんよ」
ウ 「えぇ、楽しみにしています…。それでは、また」

SE・くしゃみの音。「はっはっはっくしょん!」  

暗転
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テーマ:創作シナリオ - ジャンル:小説・文学




この記事に対するコメント


私 こういう話 好きかも♪
【2006/02/24 09:22】 URL | M #yl2HcnkM

たのしかった
けど、読んでてズキッときました。
(それは私が日頃の不摂生で、ついこないだ喘息になったばかりだからですv-40
ぜひぜひ、実際のお芝居で見てみたいです!
【2006/04/03 15:08】 URL | arty #-


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