散文ブログ『ちりぶみ』
数名による持ち回り創作ブログ。4のつく日(4・14・24)更新。
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    デザイン担当。ブログのレイアウトが悪いとすればコイツのせいなんだ。
    週刊とりぶみ


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    [プロフィール作成中...]


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    沖縄出身ゴールデンルーキー

    某サークル六代目総長

    しがないサラリーマン
    ~順調にジョブチェンジ中!~
    (HP:気分は下克城!!
    See-Saa Night Fever!!


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    ココロに移りゆく何ごとか


    イシカワ マキ
    長野市在住。



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君はまるで子猫のように、寝息を立てているね。   (2005/12/04)
「ねぇ、もっとアタシの髪を撫でて…」

 彼の腕の中でねだる。軽いウェーブの掛かったアタシの髪が、彼の指に触れて少しだけ伸びる。彼の腕の温かさがあたしの耳を通じて心の中に浸みてくる。そう、安らぎ。アタシの安らぎは彼の腕の中……。

 彼の腕に頭をちょこんと乗せ、アタシは壁の方を向いて目を瞑る。もう一方の彼の手が、アタシのちょうど腰の部分に絡みつく。毛深くて男らしい手。アタシはそんな彼の手を握りしめると、優しく胸で抱きしめる。

「アタシの鼓動、聞こえる?」

 そう尋ねると、彼はくすりと笑い、頷く。
 背中を通じて彼の逞しい胸板からじんわりと温もりが伝わってくる。そうしてアタシの心は温かくなり、優しさと満足感に満たされていくのだ。そしてアタシは眠りにつく……。


 窓から漏れてくる太陽の光で目を覚ます。後ろからは彼の寝息。彼の腕をぎゅっと抱きしめてみる。んんっ…と彼が反応してくれた。

「ねぇ、もう朝よ。起きて…」

 アタシは少し甘ったるい声で、彼を揺する。ねぇ…、と言いながら何度か揺すると、彼はようやく起きてくれた。うふふ。アタシは思わず可笑しくなって笑ってしまう。彼の寝ぼけ眼をじっと見つめて囁く。

「おはよ」



 また夜になった。今日も、彼に、抱きしめられている。腕枕をしてもらいながら髪を撫でてとねだってみる。彼の手で少しだけウェーブがまっすぐに伸びる。彼の手の温もりが、頭の後ろから伝わってくる。そしてアタシは耳たぶを弄ばれる。何だかくすぐったくて、それでいてじんわりと彼の指を感じる。スベスベした綺麗な手。アタシはその彼の手を握ると、胸の前で抱きしめた。そしてその温もりに縋りながら眠りにつく……。しかし、朝になると彼はいつの間にか居なくなっていた。


 また夜になった。今日は、彼に、抱きしめられている。腕枕をして貰いながら髪を撫でてとねだってみる。しかし今日の彼はなでてくれない。機嫌でも悪いの…? アタシが嫌いになったの…? そう尋ねても無言のまま。アタシは途端に切なくなって、どうしようもなくなって、すすり泣く。すると彼の指がアタシの涙を受け止め、拭ってくれる。ごわごわと強ばった手。アタシは嬉しくなって彼の手を抱きしめる。後ろから彼に抱き抱えられ、アタシの身体は彼に覆われる。彼の少したるんだ上半身が、弾力と共に温もりを伝えてくれる。そう、アタシが欲しているのはその温もり……。その温もりでアタシを包み込んで欲しい。そしてアタシは安心して寝息をたてるのだ。

 朝、彼もまた居なくなっていた。テーブルの上には数枚のお金が無造作に置かれている。あぁ、アタシはまた安らぎの場所を見失ってしまったのだ……。


 また夜になった。今日もまた、違う彼に、アタシは抱きしめられている。そうして彼の腕の中で今日も静かな寝息をたてるのだ。朝までの、儚い安らぎを胸に抱きしめて。


※最新作は未完成のため、2004年10月執筆の過去作品を掲載致しました。
 最新作「惜別鶴」(仮題)は、勝手ながら年末連載に回させて戴きます。
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